四国建築巡礼

大晦日の今日、本当にいい天気に恵まれました。
今年一年を振り返ってみて一番印象に残ったことは四国へ建築を見に行ったことでした。
見たいと思っていてもなかなか行けなかった場所なので本当に良かったと思います。
その旅の中で、もっとも印象深かったのは丸亀市にある猪熊弦一郎現代美術館と直島にあるベネッセアートサイト直島の作品群、とりわけ南寺のジェームズ・タレル作「Backside of the Moon」が良かったと思います。
猪熊弦一郎現代美術館は丸亀の駅前にあります。駅前広場に向かって大きく口を開いたようなファサードが特徴的です。買い物帰りや通勤帰りに「ちょっと寄って行こうかなぁ」と思える美術館です。そんな美術館はいままで見たことがありません。美術館を生活の場に近づけようとした意図がそこにあるように思いました。
美術館の中に入るととても静かでゆったりとした開放感のある雰囲気に包まれます。建築家谷口吉生の見事なプロポーションによる空間構成もさることながら、やはり猪熊弦一郎さんの若々しくてリズミカルで愛らしい作品がその空間を彩っています。個人の美術館としては、とてもいい空間を味わうことができました。
一方のジェームズ・タレルの作品は、建築家安藤忠雄の木造建築の中にあります。これは実際に体験してみないと伝えることができない作品ですが、あえて自分なりに表現すると、人間の生と死を感じさせる空間だと思います。日常の中であたりまえになっている生そのものが、どれほど死と隣り合わせで存在しているのかを体験させてくれました。きっとそれぞれの感じ方は違うと思いますが、私自身にとてはとても怖い体験だったと思います。
直島にはその他にもいろいろな場所で現代美術作品と出会えることができます。
美しい瀬戸内海の風景を見ながら、その体験を心ゆくまで味わうことができました。

いつかふたたび直島に行って、新しい自分を発見できればと思っています。

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屋根仕舞(やねじまい)

初雪が降っています。
やっと冬らしくなりましたが、寒いのは苦手です。
年末の仕事納めに向かって現場は急ぎ足になります。やっはり師走です。
建前が終わってからは、屋根を板金で仕上るためにその下地づくりが進められてきました。

屋根の形状が少し変わっていて妻側の棟の先端を少し下げた形にしています。

箕甲(みのこう)といいます。

普通であれば入母屋でやるのですが、切り妻のままでやろうとしているので、

逃げがないため大変です。

監督や大工さんが頭を抱えています。水下の広小舞と破風の納めをどうするかが問題。
板金工事が進められていて長尺の板金がクレーを使って屋根に乗せられました。

一番長い版で14メートル弱あります。壮観な眺めです。
空には折しも虹がかかっていました。

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版築作業その3

すごい!
私が体調を崩していて現場に行けなかった間に版築は打ち終わっていた。
それも予定より3日も早く!定例会議もそこそこにさっそく現場へ。
4階までの階段をやっとの思いで上ると、目の前にその壁はずっしりした面持ちで立っていた。
きれいな波模様とグラデーションが土の存在感を際出させている。
心配していた土の欠落部分も少なく本当にすばらしい版築でした。
仮枠の撤去を終えた庭師さんたちがそこにいました。
ほほがやせ血色のない顔を見ていると本当に疲れているんだなぁと感じました。
でもその彼らの目には充実感と歓びがいりまじったような生き生きとした光がありました。
彼らが一生懸命に積み上げてきた努力と気合いのすべてがこの版築壁にあります。
本当にすばらしい壁を見せていただきました。
「本当にご苦労様でした!」

 

版築作業その2

二段目の仮枠が組み上がって足場の上での作業となりました。
作業の段取り等は少しづつ良くなっていても、条件はますます厳しくなっているため、
作業そのものは増々困難を極めています。
また共有通路の使用が制限されているため、
シートを張っている範囲しか作業スペースがありません。
そのため仮枠を店内側からしかサポートすることができないので仮枠の固定も大変です。
今回の版築では土の種類を変えてグラデーションをつけようとしています。
そのため、土の配合を変えてもらい厚さも少しずつ変化をつけてもらっています。
したがって、適当に土を詰める訳ではなく、
決められた層の数と厚みと色分けによって順番に詰められて行きます。
その準備と段取りにとても手間をかけてもらっています。

 

版築作業その1

先週月曜日からミッドランドスクエアの紗羅餐現場でいよいよ版築作業が開始されました。
仮枠が3回に分けて積み上げられて行きますが、その一段目に掛かり始めました。
いざやり出すと土の圧力で仮枠がはらんでしまったり、ずれてしまったりと出だしは好調とは言えませんでした。
おまけにいろいろは付属物が仮枠の下部に集中しているため、思うように土をたたくことができない状態でした。
前途多難!
作業をしていただいている庭師さん方には、ここまでに本当に苦労をおかけしています。
まずは、版築見本の制作から始まり、わがままな設計事務所がほしがっているエーゲ海のような青色の土探し。
しかし青色の土が金より高くてとても手に入るものではないので、
またまた設計事務所の意向で次は鉄錆び色の土探し。
見つけた鉄錆び色の土よりももっと赤い土があると聞き、大垣の金生山の採石場で土探し。
「高さのある版築を実際に作って確認した方がいい」ということで実物大での作業試験。
土場に搬入された土をすべてふるいにかけて土嚢袋に詰め替える作業。
その袋詰めされた土をいったん仮置き場に持って行く作業。
その仮置きされた場所からミッドランドスクエアの指定された場所へ持ち込める分だけを移動する作業。
そして、やっと4階の現場に資材を運び上げて作業ができるように。
その間、じつに4ヶ月以上を準備期間に費やしていただきました。
だから、絶対にいい版築を創らせてあげたい!

 

建前(たてまえ)

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今日は鷺山の近くで住宅の建前がありました。
昨日の朝の時点では、今日の降水確率が70%だったので中止と決めていました。しかし、夕方の天気予報では降水確率が50%まで下がり、雨の時間帯も午後3時頃となっていました。そこで、年末の工程のことを考え現場監督といろいろ話しあった結果、再度決行することにしました。
そうなると一番大変だったのはクライアントだったと思います。昨日の午前中に中止を伝えてあったので、再度決行となると、もう一度段取りをし直さなくてはなりませんでした。それも午後7時からのリスタート。「申し訳ありません」
ところが、そうまでして決定した当日の朝、天気は無情にも雨!
「天気予報の大バカ者! お施主様ごめんなさい」
結局雨の中での建前となってしまいました。スタート時点ではぱらぱらとした小雨でしたが、昼頃にはとうとう降り出してしまいました。「大工さんごめんなさい」事故がおこらないように祈るのみ。
しかし、天は我々を見放しませんでした。お昼に用意していただいたお弁当と手作りの温かい豚汁のおかげで、雨も次第に小降りとなり夕方には雨も上がって暖かい夕日が差し込んできました。
イソップ物語ではありませんが、作業をしている大工さんは雨合羽を脱いで最後の一踏ん張り!
おかげさまで工事は無事終了しました。後片付けをしたのち、皆さんに集まっていただき工務店からの挨拶、クライアントからのねぎらいと感謝の挨拶とつづき、私からもお詫びとお礼の挨拶。そして温かいお茶で乾杯をした後、ご祝儀と引き出物をいただいき建前は滞りなく終了しました。
工事関係者の皆様、雨の中、本当にご苦労様でした。
クライアントのご家族、ご親戚の方々、心のこもったおもてなしをどうも有り難うございました。
そして、私たちを見守っていただいた大いなる力に感謝いたします。
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アヴェ・マリア

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友人が教えている鴬谷高等学校音楽科の演奏会が、今日サラマンカホールでありました。
高校生の演奏会を聴くのは初めてだったことと、サラマンカホールに入るのも初めてだったので、雨は降っていましたが楽しみに出かけました。
ホールの印象は、心地よい大きさと落ち着いた雰囲気が良かったと思います。ただ、天井にぶら下がっている照明設備が、きれいなシャンデリアの邪魔をしていることが残念でした。
プログラムは楽器の演奏と歌が織りまぜられ終盤は二重唱、アンサンブルと続き、最後に生徒全員による合唱で締めくくられました。
初めて聴いた高校生の演奏や歌声は、私が思っていた以上のものでした。特に3年生のピアノ演奏と電子オルガンの演奏は心に残っています。
そして、最後の合唱で歌われた「アヴェ・マリア」が、とても美しい歌声で響いていました。
いい音楽に出会えたことに感謝します。
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