トトち舎襖張りワークショップ 第3日目

トトち舎ワークショップの第3日目です。

前回は下地の和紙を貼りましたが、今回(4/29)は、その上に草木染めで染められた仕上の和紙を貼る作業と、もう一つは、大きな和紙をもう一枚張って、その上に胡粉を1回塗ってみる作業です。

天気にも恵まれ、気持ちのよい作業日和となりました。

集まった方々は、やる気に満ちあふれた女子ばかり!

ウーマンパワーの前では、出る幕のない男子一匹は、作業を羨ましそうに横目で見ながら、庭に生えた雑草取りを志願。

どこかで見たような光景なんだけど・・・

この作業は、胡粉を塗る襖に大きな和紙を張っているところです。A先生が用意していただいた雲肌麻紙という和紙で、日本画に使っている越前で漉かれた和紙だそうです。

襖は、縁のない坊主襖になっているので、小口も和紙を張りまわしています。和紙を張る糊はもちろん生麩糊です。

たぶん襖に和紙を張るのは初めてだと思いますが、いつも日本画の下張り作業をされているので、慣れた手つきでどんどん作業は進んで行きます。まるで職人さんみたいです。

そうかぁ!

作業を見ていてふっと思い出したのは、「紅の豚」でポルトが飛行機を作り直す時に持って行ったあの工場のシーンでした。作業員は女子ばかりで、男子は工場長とポルトだけ。

あの光景ですね。

工場長やポルトの気持ちがわかりました。

「手出しはできねぇ〜なぁ〜」

まじめに額に汗しながら雑草取りをしていたら、腰が痛くなってしまいました。

「ちょっと休憩〜」と目をやると、もう仕上の和紙が張られていました。

茶色の和紙は栗で染められた和紙で、仏間と出入口の襖に張られています。

緑色は藍と山桃を合わせた染料で染められた和紙で、出入口襖の裏側、廊下側の和紙になります。「日本の染料には緑が出せるものがないらしく、青と黄色を掛け合わせるのが一般的」とSさんに教えていただきました。

どちらの和紙も保木工房の和紙です。自然の色ってやさしくて深みがありますね。

・・・・・

そうこうしていたらお昼ご飯でした。

トトち舎のTさんは、今日はシェフに専念。まずはお昼ご飯。

富山のお友達が、お蕎麦屋さんをやられているそうですが、お父さんが作られた貴重な手打ち蕎麦を湯がいてざる蕎麦に。

てんぷらや付け合わせなど盛りだくさん。

おいしかったぁ〜。

食べることに夢中で、写真を撮り忘れてしまいました。

さて、いよいよ胡粉作り。

胡粉は日本で古くから使われている顔料の一つで、蛤や牡蠣などの貝殻をすり潰して作られた粉で、日本画や日本人形の絵付けに使われているそうです。その胡粉を使うには、丁寧に粉をすり潰してから膠をしっかりまぜて耳たぶくらいの団子にし、絵皿などに百回くらい叩き付けて肌理を滑らかにします。そして、お湯にしばらく浸けてアクヌキをし、あとはきれいな水の中で、ゆっくりやさしくかわいがって溶かしてゆくと、牛乳のような白い液体になるそうです。

っと、ここまではネットの情報。

残念ながら胡粉の団子作りは見ることができず、乳鉢に残った白い胡粉の残骸と溶けた膠を発見。

それに、今回の胡粉には水晶の粉末を入れて割れ止めと質感UPを狙うとのこと。

なんか豪華な気分ですよね。

あとは皆さん代わる代わるにやさしくそっと、そして気持ち良さそうに溶かしていました。

いいなぁ〜

でも残念ながら、野良仕事のおじさんには触らせてもらえませんでした。

さて、こちらは栗の和紙にコンニャク糊を塗っているところです。

和紙の毛羽立ちをおさえ、汚れが付きにくくなるそうです。

生麩糊といい胡粉・コンニャク糊と、まさに自然食品並みの伝統的な材料。

奥が深いですね。

和紙の乾きを見計らって、いよいよ胡粉塗。縦に塗ったあとは横に塗って、むらなく塗ってゆきます。かなりシャバシャバな胡粉ですが、和紙の表面にうっすらと白い幕を作ってゆきます。

今後は乾きを見ながら塗重ねてゆくそうですが、様子を見ながら5〜6回ぐらい塗重ねる予定とのこと。とりあえず今回は1回目を塗ります。日も暮れて来て、皆さん追い込みにかかっています。

近寄れませんね。

・・・・・・

今回の作業はここまで。

皆さんご苦労様でした。

その後、シェフ担当のTさんと同僚のHさんが、一生懸命作ってくれた手づくりの夕飯をごちそうになりました。ちらし寿司に蛤の吸い物、唐揚げ、イワシの煮物などなど。おまけに庭になってていたフキまで、その場で炊いていただきました。

どれもこれも、ほんとうにおいしゅうございました。

ごちそうさまでした。

(慣れない庭仕事で足腰ガタガタでした)

トトち舎襖張りワークショップ 第2日目

気がつけばもう梅雨。

まだ肌寒い4月15日に、トトち舎の襖張りワークショップ第1日目がありました。でも、それ以降の報告をしていなかったので、ここはがんばって報告します。

第1日目は、シナ合板で作られた襖に和紙の下張りをする作業でしたが、引き続き第2日目も残りの襖に和紙を下張りする作業です。

今回、襖の製作に興味を持っていただき、中心的な役割で関わっていただいたAさんは、クライアントの同僚の先生で日本画を描かれています。襖の仕上を漆喰に合わせたいと思い、いろいろと尋ねていたら、日本画で使われる胡粉が良いよと聞きつけ、A先生に声をかけていただきました。人の輪っていいですね。

それともう一人は、襖に貼る和紙をコーディネートしてくれたSさんです。せっかく和紙を貼るのであれば美濃和紙にしたいとなり、美濃市で手漉き和紙を漉いている保木工房の保木さんの和紙を求めて美濃市を訪ねました。その時にSさんにお会いしましたが、Sさんも女性紙すき職人です。頼もしいですね。

そんな訳で、お二人の力強い応援もあって、襖張りのワークショップが実現することになりました。

さて、下張りの和紙を張る糊は、生麩糊(しょうふのり)という日本の伝統的な装幀などに使われてきた接着剤です。お麩を作る過程で分離して沈殿した粉が原料だそうです。だから、食べても安心だし、水に濡らせば簡単に剥がせるそうです。凄い知恵ですね。

その生麩糊を和紙全体に塗って襖の下地に張って行きます。建築現場の雰囲気とは違って、静かでゆるやかな空気に包まれた作業ですが、糊の付いた和紙を手渡しする時は、お互いのリズムが合わないとうまく行きません。緊張感が走ります。

作業に使われている道具の一部です。日本画に使われている刷毛だそうですが、柄のゆるやかなカーブと柔らかな毛が、いかにも日本の肌触りでした。

あっと言う間に下張り作業は終わりました。おそらく時間はかかっているけれど、緊張感のある作業が時間を忘れさせてくれたんでしょうね。ご苦労様でした。きれいに和紙が張られています。

 

オープンハウスとトトち舎

先週の土曜日と日曜日に「ユズリハの咲く家」のオープンハウスを行ないました。初日の午前中は、あいにくの天気でしたが、午後から晴れ間が広がり、そして翌日の日曜日も天気に恵まれました。そんな中、初めてお目にかかる方々や懐かしい方々、あるいは以前のクライアントのご家族などなど、この二日間で70人あまりの方々に来てただきました。

本当に有り難うございました。

まだ工事途中なので、「ユズリハは・・・」と聞かれて恐縮したり、「どこでご飯を食べるの?」と主婦目線で質問を受けたりと、オープンハウスならではの緊張感の中、皆さんからいろいろなご意見やご感想をお聞きすることができました。

有り難うございした。

さて、オープンハウスは4月22日(日曜日)の、あと1回になります。今週は、なんとか天気が持ちそうなので、工事が進んでくれると思います。そうすれば、ユズリハも姿を見せてくれるでしょうし、外構もきれいになると思います。なので、まだ見学にいらしていない方、あるいは、もう一度見てみたい方は、ぜひ次回のオープンハウスに来ていただければと思います。

オープンハウスの案内を下記に記します。

ユズリハの咲く家:完成見学会開催

開  催 日:2012年4月22日(日)
時  間:午前10時〜午後5時
場  所:岐阜市
用  途:専用住宅
構  造:木造2階建て
設計監理:多田直人建築研究所
施工管理:株式会社 相宮工務店

見学を希望される方はmail@naototada.comまで、氏名、連絡先、参加人数を御連絡下さい。後ほど詳しい案内図を送付させて頂きます。

よろしくお願いします。

 

それから、オープンハウスと重なってしまいましたが、4/15にトトち舎で襖の和紙張りワークショップがありました。ワークショップを終えて駆けつけましたが、下張りがほとんど終わっていました。皆さん、静かに、ゆるやかにそして集中して作業をされていました。次回は残っている下張りをして、29日に仕上にかかります。こちらも楽しみです。

現場は佳境に入ってます!

今日は本当にあたたかな日でしたね。寒い事務所から現場に出かけようと着替えましたが、いまだにセーター姿。なので車で走っていると汗ばんでくる始末。まるで冬眠あけのクマ状態です。早く衣替えしなくちゃ。

途中、伊奈波神社を通りましたが、枝垂れ桜が見頃です。きれいなピンクですね。

さて、現場は人だらけでした。左官やさん、フェンス屋さん、電気屋さん、家具屋さん、塗装屋さん、カーテン製作部隊、庭師さんなどなど。

「いまごろ〜?」と思われる方は、プロですね。

そうなんです。オープンハウスを2日後に控えていながら、このドタバタ!

じつは、このところ雨降りが多くて、左官仕事が遅れてしまっています。住宅部分は終わっているのですが、駐車場や庭工事がまだです。

ということは・・・・

「ユズリハの咲く家」のユズリハがまだ植わっていません。

どうするの〜?

と慌てているのは私だけかもしれません。皆さんは一生懸命やっていますから。

そんな訳で、オープンハウスは、工事途中の姿になってしまいますが、予定通り行ないたいと思います。若干、足元が悪いところもありますが、ぜひ来ていただいて、洋館を味わっていただければと思います。

では、少しだけプレオープン!

ぜひ多くの方に見てもらえればと思います。

お待ちしております。

 

トトち舎/囲炉裏の作業

板間の床下には囲炉裏があります。その中に、砂を入れて灰を入れる作業をしました。

今月の初め、大工の梅ちゃん(梅津建築)と二人で砂を取りに行きました。でも砂だけの所は見当たらず、砂利まじりの砂を20袋あまり軽トラに積んできました。タイヤが沈んで川原から抜け出せるかが心配。

取ってきた砂は濡れていたので、土間にシートを広げて乾燥しました。クライアント自ら暖房を効かせて乾燥具合をチェック。

そして、夜な夜な砂利まじりの砂をふるいにかけて砂の取り出し作業。全身土埃にまみれての作業になりました。ご苦労様でした。

囲炉裏の中に砂を入れてから、囲炉裏奉行のお出まし!奉行ご自身が作られた灰を囲炉裏の中へ。

残念ながら量が足りません。「あと45ℓの袋で4、5袋いるなぁ〜」とのこと。今年の秋にもみ殻をもらって補給することになりました。

つぎは仏間や押入などの襖に襖紙を貼るワークショップ。日本画の先生と美濃にある保木工房の女性紙すき職人さんとのコラボで、胡粉を塗った和紙や栗で染めた和紙を貼ります。たのしみですね。(私はその日、オープンハウスがあるため残念ながら参加できません。Tさん、写真取っといて〜!)

ワークショップ第10日目

1月22日。いよいよトトち舎のワークショップ最終日となりました。今日は、左官の小池さんが用事があるため参加できませんが、代打として、前日にも手伝っていただいた近畿壁材工業株式会社のHさんが、今日の講師を勤めてくれます。

Hさんは会社では営業を担当されていますが、扱われている商品がプロ向けの商品であるため、出来るだけ現場を訪れては、直接職人さん方に商品についての意見を聞いているそうです。そのため、次第に自らも左官仕事に興味が沸き、自分の道具を揃えて現場に出向くようになったそうです。でも職人さんの前ではなかなか塗る機会はないそうですが、今回は小池さんもいないので、おもいっきり塗れると張り切ていました。

さて、今日の参加者は7人です。初めての方やまだ慣れていない方のために、Hさんが鏝や鏝板の持ち方、あるいは漆喰を壁に塗る要領を流暢な関西弁の解説をまじえて実演してくれました。

では、さっそく漆喰仕上に挑戦です。鏝を持ったのも初めてな上に、漆喰を鏝に載せて壁に塗り付け、均一に延ばして行くのは、なかなか難しい作業です。思うように延びてくれない漆喰に手こずっている人を見かねて、すかさずHさんが脇で指導!張り切ってますね。

その後は、皆さん手探り状態を繰り返しながら、徐々に左官の世界へ没入。それを見て、Hさんは板間の天井塗を開始!気合いが入っています。どうやら、小池さんがいない間に、自分の持てる技術を最大限活かし、小池左官チームの面々に見てもらおうと思っている様子。あの流暢な関西弁は、すっかり影を潜めてしまいました。もっとも、漆喰塗をしていて気付いたことは、皆さん真剣になればなるほど口数が減り、鏝の音が聞こえるくらい静かになります。私なんかはひどいもので、思わずよだれが落ちるほど。おそらく夢中になっていると口が開いちゃうタイプなんでしょうね。お粗末ですね!

そのためだと言い訳じみてしまいますが、写真を撮るのも忘れていたために、休憩の様子やお昼ご飯の様子などが撮れませんでした。でも、ワークショップの期間中、お茶やお菓子あるいはお弁当など、そのたびに準備をしてくれた施主のTさんには、心から感謝します。おいしかったですよ!

そうこうしていて、3時を過ぎた頃には土間の壁も塗り始め、順調そのものと思っていましたが、これがなかなか進まないんですよね。結局は、外が暗くなってしまい、皆さんには予定外のお手伝いをお願いしてしまいました。申し訳ありませんでした。でも、おかげでほとんどの部屋を塗ることができて十分な成果を得られました。そして、Hさんも最後までつきあってくれて、本当に助かりました。「これから淡路島に帰ります」といって立ち去って行く後ろ姿が本当に素敵でした。まるで、ショクニンみたい!

そんな訳で、昨年から続いたワークショップも無事終了することが出来ました。有り難うございました。ワークショップに参加していただいた人数は、正確ではありませんが、職人さん達も含めると延べで60人から70人近くになると思います。こんなにも多くの方々に、そして、こんなにも長期間にわたってワークショップを支えていただき、本当に感謝しております。有り難うございました。

そして、最後までつきあっていただいた小池左官の小池さんには、本当に頭の下がる思いです。今回のワークショップの成果は、小池さんの協力が得られて、はじめて可能になったものと思っています。小池さんの気持ちにどれだけ応えられたかわかりませんが、十分なワークショップができたものと思っています。長い間、ご苦労様でした。そして、本当に有り難うございました。

 

ワークショップ第9日目

さて、ずいぶんと日にちが経ってしまいました、トトち舎のワークショップの続きです。ワークショップもいよいよ大詰めです。開催したのは1月21日と22日です。では、21日の第9日目から報告します。

あいにくの天気の中、参加してくれたのは6人でした。その中で、左官の小池さんが声をかけてくれたのは、ワークショップで使っている漆喰の販売会社、近畿壁材工業株式会社のHさんです。今回のワークショップのために、淡路島から泊まりがけで参加してくれました。関西なまりで滑らかに話をしてくれるHさんの言葉をBGM代わりに、さっそく作業にとりかかりました。いよいよメインの土間と板間の仕上です。

まずは下塗り作業です。参加人数が少なかったのですが、Hさんのおかげでどんどん進んで行きます。自前の左官道具を持参しての参加。力が入っています。

大きな面を塗るのは慣れてくるとなんとか塗れるのですが、狭い所や小さな壁は、以外と塗りにくいことがわかりました。鏝を小さくしないと何とも作業ができません。おまけに押入の中や仏間の中は、身動きが取れない状態です。

作業に追われて途中の写真を撮れませんでしたが、なんとか下塗りを塗り終えることが出来ました。やはり、左官の小池さんがいてくれたから終えることが出来たんだと思います。明日は、小池さんがいないのでどうなるんでしょうね?

ちなみに、このあとHさんの歓迎も含めて三楽でご苦労さん会となりました。疲れた身体にお酒が染み渡ります。明日もがんばろう〜!