ワークショップ第7日目

ワークショップ第2弾

漆喰塗実習作業 「壁と天井に漆喰を塗ってみよう!」

今日から漆喰塗のワークショップが始まりました。普段の生活で何気なく見ている壁や天井に自分で漆喰を塗ってみると、どんなことを感じ、どんな空間になって行くのか。実際の作業工程を体験しながら、完成した部屋の雰囲気を自らの身体を通じて体感してもらう企画です。左官の指導をしてくれるのは、前回のワークショップで現場研ぎ出しを教えてくれた郡上市の小池左官の小池忠さんとその職人集団の方々です。作業予定は、1月14日・15日および1月21日・22日の計4日間です。

いつも気さくに話してくれる小池さんに、さっそく鏝と鏝台を使って鏝さばきの練習に取りかかりました。鏝に漆喰を載せるだけなんですが、持ち慣れない鏝に粘り気のある漆喰は思うように載りません。参加者の皆さんは真剣な顔をして鏝さばきを練習しています。

では、さっそく塗ってみましょう!おぼつかない鏝さばきでスタートしましたが、まずは身体を使って慣れること。少ししか載らない漆喰を壁に塗っていると少しずつ塗れる面積も増えて、萎縮していた手の動きもだんだんなめらかになって行きます。最初は難しいと言っていた参加者の方も見よう見まねで塗り進んでいるとなんとか塗れるようになって行きます。そうすると不思議におしゃべりが無くなり、皆さん無言で作業に没頭し始めます。聞こえてくるのは鏝とボードの擦れる音と「ボタッ」という床にこぼれた漆喰の音くらいです。なかなか緊張感がありますね。

隣の部屋では職人さん方が天井塗を見せてくれました。漆喰を鏝に載せて天井に塗り付け鏝で均等に延ばして行きます。いとも簡単に塗っているようにみえる作業ですが、これはなかなかの技術です。上向きで塗りながら、時折息を吐く音が印象的でした。この天井は引きずり仕上で仕上げられました。

今日の作業は無事終わり、トトち舎の編集室と玄関脇の応接室の2部屋の壁と天井を塗り終わりました。現場研ぎ出しの作業と違って静かな作業でしたが、慣れない道具を使って慣れない姿勢で作業をしてみると意外なところに痛みを感じます。私の場合は鏝の持ち方やさばき方が違うため、やたらと右手の親指が痛くなります。小池さんに鏝の持ち方とさばき方を見せてもらいましたが、親指は添えているだけで力は使っていないそうです。鏝のさばき方がまったくちがうんですね。職人さんが教えてくれた話しでは、鏝さばきの練習で鏝を使って水面を撫で波が立たないようにするそうです。完成した壁を見てみると嵐が過ぎ去ったような表情です。

「でも、これも個性のあらわれですよね!?」